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Last Update 2007-06-16T01:26:01 GMT+09:00
日本の教育制度
グレン ビスナル(フィリピン)
日本の教育制度は、世界で最も理想的な制度のひとつであることは明らかです。このことは、次の3点により証明されます。第1に、第二次世界大戦後わずか20年ほどの間に、科学や技術の発展を通じて達成した日本の近代化の過程は、教育制度の成功によるものであることは確かであること。第2に、義務教育ではない高等学校への進学がほぼ100%であることは、日本の学校運営制度に起因していること。第3は、2003年の国際数学・理科学力調査の結果、日本の小学4年生の数学と理科は25ヶ国中3位、中学2年の数学は45ヶ国中で5位、理科は6位であったことから分かるように、日本の教育過程が生徒の学力形成を強めていること。
和歌山大学に留学して、日本の教育制度と学校運営制度を研究できることは、私にとってこの上もない機会でした。星林高校や有田中央高校、貴志川高校などの高校の校長や県の教育委員会の方々と面談し、また様々な高校を訪問して授業を見学したことにより、日本の学校運営制度を明確に理解することができました。
日本の教育制度の長所は次の3点であると分析します。第1に、「教育改革の8つの原則」が革新的かつ時代に対応したものであること。8つの改革とは、①個人に重点を置く。②基礎に重点を置く。③創造性、思考能力、表現力を養うこと。④人間らしい教育環境。⑤巾広い選択の機会。⑥生涯学習制度の提供。⑦国際化教育の実施。⑧情報化時代に対応する教育。第2に、「統一的かつ多様な均衡のある学校教育課程」が成功の鍵であった。変化に富んだ教育課程が生徒と教師間に強力な相互作用を及ぼし、結果生徒に学ぶ意欲を与えたこと。第3に、「学校、家庭、社会の協調」ハワード・ガードナー博士は、親と地域社会が子供の教育に深く関わり合っているとき、学校はより効果的に機能すると述べています。
日本の教育制度がこれまで成し遂げてきた成果を今後も維持するためには、現在行われている次の点を強化する努力が必要と思います。
(1)行動研究
教育方法について反省したり、新しい教材を試したり,計画と目標を設定して行動研究するのは、直面する新たな問題を解決する、いい手段になると思います。
(2)課外活動の強化
不登校、勉強への不関心、校内暴力、いじめ等の驚くほどの増加を防ぐには、生徒の課外活動を維持する必要があると考えます。最近の研究によると、学校との繋がりを感じている生徒は、覚醒剤を使用したり、異常な行動を起こしたり、自殺を試みたりすることが少ないという結果でした。
(3)自己評価と第三者評価の標準化システム
新しい社会に対応するため、教育制度も定期的に評価していかねばなりません。教育委員会も標準化された評価システムを確立し、実施し、高い評価を認められた学校を表彰したりすることも必要だと思います。
(4)倫理教育の強化
若者の自殺は教育者が驚くほど増えています。自分の人生を大切にする気持ちはもっとも重要な価値観であり、もっと生徒に対して教え込むべきことです。もう一度昔の日本の躾(しつけ)教育を取り戻さなければなりません。
教師の研修生として、たった一年間の勉強では日本の複雑な教育制度のすべてを理解するのは不可能であることは百も承知ですが、それでもこの短い中で、何か貴重な洞察ができた気がしています。この素晴らしい体験を頂いた日本政府、特に文部科学省に、心から感謝します。この研修で得た知識を国に持って帰り、今混乱しているフィリピンの教育制度を改善したいと思います。私の和歌山大学での留学生活で、「正しい教育によって、人間は貧乏、無学、社会的な病から解放される」ことに確信を持つことができました。
Posted in 2007年
